✅ 「大きいもの」にも、現在の理論上の“限界”があります。
宇宙はどこまで広がっているのか——この問いに対しても、実は明確な限界があります。
それは、私たちの住む宇宙が「始まり」を持ち、そして「光の速度が有限」であるという2つの理由によるものです。
🌌 宇宙には“観測できる”範囲の限界がある
- 宇宙はおよそ138億年前にビッグバンで誕生したと考えられています。
- そして、光は1年で1光年しか進めないという物理法則があります。
この2つを組み合わせると、私たちが観測できる範囲は、地球を中心として半径138億光年の球の内部だけになります。
つまり、
138億光年より先にあるものは、まだその光が私たちの元に届いていないので、観測できないのです。
これは、いくらテクノロジーが進化しても超えることのできない、原理的な限界(観測限界)なのです。
🚀 さらに、宇宙は膨張しているため“見えなくなる領域”も増え続けている
宇宙は現在も膨張し続けています。しかも、そのスピードは加速しています。
そのため、遠くの銀河の中には、「私たちが一生かけても追いつけない速さで遠ざかっている」ものもあります。そうした領域からは、たとえ今光が出発したとしても、永遠に私たちには届かないのです。
これを「宇宙の地平線(cosmic event horizon)」と呼び、因果関係が届かない領域=本質的に知ることができない領域を指します。
🌀 要するに:
- 大きいものにも「観測の壁」があり、これ以上は“物理的に”見えない。
- 観測可能な宇宙は、「見える宇宙(observable universe)」と呼ばれ、私たちはこの「球体の中」しか把握できない。
- たとえその外側に“無限の宇宙”があったとしても、原理的に知る術がないのです。
🔭 小さすぎても、遠すぎても、私たちには「限界」がある
このように、「小ささ」には理論上の限界(プランク長)があり、
「大きさ」にも観測の限界(宇宙の地平線)がある。
どちらも、人間の知覚・技術・理論を超えた“到達不可能な領域”が存在するのです。
それはとても悔しくもあり、同時に、壮大なロマンを感じさせてくれる真実でもあります。